◎ 昔の実験録

◎ 広帯域低ひずみアンプ  (uPC1677C プッシュプル) 2005/1/5
◎ 真空管発掘 2005/1/6
◎ 真空管 2005/1/8
◎ ソーラーカーレース  2005/1/10
◎ オーディオアンプ 2005/1/28
◎ 昔のデバイス 2006/2/1
◎ 電気自動車の問題点 2008/3/15


◎  広帯域低ひずみアンプ  (uPC1677C プッシュプル

 昔やっていた仕事で、広帯域(10〜500MHz)で超低ひずみの(出力−15dBmが7波でIM2:65dBc以上 IM3: 70dBc 以上)のRFアンプを設計した ことがありました。 利得も20dB以上必要でした。

 その業界ではそんな用途のために○トローラや フィ○プスなどから、十数Wもの電力を喰う高級デバイスが発売されていて、それはそれは惚れ惚れするような性能を見せ付けてくれます。
 と ころが当時の開発案件では、そんな化け物デバイスが入り込むスペースは無く、数十Wもの発熱は絶対に放熱できる可能性のないシステム構造になっていまし た。 (まずシステム設計が問題だって!!)

 プリント基 板 上の面積で35mm×45mmほ ど、高さも12mm程度に入れなければいけない、消費電力もせいぜい1Wまでの要求となっていました。 ディ スク リートで構成すること も検討しましたが、当時の技術では「2SC5338プッ シュプル」3段の増幅が 必要で組み込み面積も、消費電力も満足しませんでした。 (比帯域が広くF特がフラットにならないのと、リターンロスがうまく小さくならなかった。)
少 ない知識を絞って思い出したのが、もう廃品 種寸前のパワーアンプIC「uPC1677」 でした。(もう秋月電子さんでも在庫僅少のようです。 )
 このICはすぐれもので、8ピン DIPパッケージで1.9GHzまでもある帯域幅、20dBもある有り余る利得、飽和出力 はナント19. 5dBmも出てしまう代物です。 そう、歪を許容すれば100mWも出力されてしま う危険な石です。
 データシートを見ると2波出力−5dBmで IM3が−70dBcほどになりそうです、これはいけるかも!、IM2に関する記述が無いのが気にかかりますが。IC の裸の性能を測って見ます。 一発で2 波 出力−5dBmでIM3は73dBcほどの性能が出ました…がIM2が 50dBcほどしかない…。 まるでダメ、使えないです。

 トランジスタならIM2を減らすためにプッシュプルにするんだがなぁ、他にいいICもないしなあ。
 ICにだってプッシュプルは 効果あるだろうと、冗談半 分 山村著「トロイダル・コア活用百科」を読みながらトランスを巻いてプッシュプルにしてみました。
  周辺に色々くっついていますが回路図です。(水魚堂さんの 「BSch」で書いています動作が非常に軽くて、データも軽く て、ライブラリも作りやすく本業でも使用しているぐらいです。)

 トランスは伝送線路形で 0.15mmのウレタン線を 3本よじってTDKの材質 DL-3のめがねコアに2回巻きです。 この回路で、入出力のリターンロス は10dB以上 周波数帯域10〜550MHz 平坦度±2dB の性能が無調整ででます。
 問題の2次歪みIM2も 67dBcほどと改善しまし た。 消費電力も約1Wと なって 化け物デバイスの十分の一以下です。
 アマチュアレベルではこんな 性能出してもしょうがな いといわれそうですが、 HFトランシーバーのプリアンプなんかには使い道があるのではないでしょう か?
 入力レベルで−35dBm (50オームで 72dBμV)までで2次3次歪が 65dB以下のアンプはそうないと思います。

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◎  真空管発掘 2005/1/6
 中学生ぐらいの頃です、近所のごみの山(今風に言うと不法投棄の山) に、学校帰りや休日になるとうろうろしていました。 写真の多い本が落ちていることもありましたが、雨や霧の出ていることの多い地域だったので、本はペー ジをめくることのできないものばかりでした。 私の目的はその本ではなく、もっと大きなテレビ(宝)の山で した。
 当時親し かった友人から教わったパソコンとアマチュア無線の影響で、真空管という電子デバイスを知ったばかり。 学校までの30分の道のりを帰りは3時間くらいか けて寄り道(ただのジャングルのような原野の中)している最中、知ったばかりの真空管が埋蔵されている宝の山をみつけたのしでた。
  宝には鉄のシャーシに頭がピカピカに光った真空管が十数個刺さっていました、昨今のトランジスタと違って真空管は寿命が短く交換修理が可能なようにすべて ソケットに挿入されているだけなので、摑まえて引っ張るだけの簡単な発掘作業です。

 たまに真空管の頭のピカピカが白く変色してはがれかかっているのもありましたが、気にせず発掘です。 あとで真空管に空気が入って使用できない状態になると頭が白くなってしまうことを知り、ずいぶん捨ててしま いましたが。

 また、漁業の町だったこともあり、漁船の無線機という大物に出会えたこともありました。 真空管もかなり大きい送信管や、水晶(FT-243タイプ ネ ジを緩めると中に水晶の板が入って いる)、ステアタイト製のエアバリコン(大中小)、リッツ線をベークライトのボビンに巻いたコイル等々、山ほどの獲物を何日にも分けて持ち帰ったりして、 押入れのなかを戦利品でいっぱいにして満足していました。
なんでこんな話になったのかというと、たまたま昔の資料をひっくり返していたら、手書きの「真空管リスト」が出てきたのです。

送信管

 

GT管

 

UY807

有名な送信管  

5U4GB

 

6146(2B46)

漁船送信機に はこればっかり

5V4G

 

6146B

 

6AS7

 

2E46

UFOみたい な格好の球だったような

6BK4B

 

3P50

 

6GK17

 

2B94

144MHz のリニアに使える50Wぐら いまで

3CV3

 

2T12P

これも漁船の 送信管いっぱい持っていました

25E5

 

ST管

 

6V6GT

オーディオア ンプにいかが?

76

 

6SJ7

 

80

 

MT管

 

KX-80HK

 

1X2B

高圧整流管  これもいっぱいあった

KX-142

 

3AU6,6AU6

 

KX-12F

 

12BY7A

 

1K22

 

12BH7A

 

6ZDH3A

 

6BA6

 

6ZP1

 

12FQ7,6FQ7

 

6D6

 

6BE6

プリアンプ用 でしたっけ?

5Z3

 

3AV6

 

12ZE8

同調指示管!

VR150MT

低電圧放電管

KX-80

 

5651

 

 

6CW6なん かもあった気が

6M-E5

 

6EH7

 

6AR5

この辺もオー ディオ用だったかな

6EJ7

 

6AQ5

 

6BX6

 

12AU7

 


なんかもうあんまり覚えていないですね。 どなたか分かる方、教えてください。
 6AK5なんて型番も覚えが・・・。

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◎  真空管 2005/1/8

中学の頃から 就職で地元を離れる までの数年間、入り浸っていた電子部品屋さんがありました。もうお店は閉めて しまったと聞いていますがマイ コン教室 「MUK」と いうお店で、当時鳴り物入りで発売されたIBM-JXというパソ コン を導入しマイコン教室として オープンしたとのことでした。

 私が初めて訪れた ときには、秋葉原から買い付けてきた電子部品や、短波無線機、地元の鉄くず屋から引き上げてきた自衛隊や空港、漁船無線局や電電局なん かのジャンクが山ほど陳列されていて、何度 行っても飽きずにお店の中をうろうろしていました。

  当時はまだマイコン教室を必要としていた人があまりいな かったようで、経営していたおじさんがマイコン講習をしている姿は見たことがありません。  昔からのHAMだったおじさんはよく自作の無線機や、測定器 を 見せてくれ、私が集めた真空管の使い方を色々教えてくれました。

  写真はおじさんからいただいた資料の一部です。 VHFの4極送信管「2E26」  144MHzで50Wぐらい出力が出ると聞いています。 2T12Pはパルス出力の3極管で真空管としてはものすごく大きなプレート電流 「5A!」を流すことができ、カソードからそんなに熱電子放出さ せ て電子が足り なくならないのか心配なぐら いです。
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◎  ソーラーカーレース 2005/1/10
'91ソーラーフェスティバ ル・イン・オホーツク
(外にもたくさん写真があります、ご入用の方は連絡ください)
DREAM CUP ソー ラーカーレース鈴鹿2004

  最近10年ほど前のソーラーカーレースの写真をいただきました。(左写真) 写真のなかをよく読んでみると「’91ソーラーフェスティバル・イン・オホー ツク」とい書いてあります。
 テレビでもよく「オーストラリアチャレンジ」という言葉を聴いていた頃です。  バブルも絶頂期で写真の車両にもメーカーのステッカーだらけですね。
一昨年たまたま仕事で、Piccoloさんと鈴鹿のソーラーカーを見に行きまし た、piccoloさんは鈴鹿の常連のようでよく様子を分かっています。

右の写真が昨年の鈴鹿の写真なのですが、この左右の写真同士であ まり年代差を感 じないのが不思議です。
メーカーサポートのステッカーが少ないのがもっとも大きな違いですかねぇ。それ だけソーラーカーが完成してしまったのか、大きなお金が下りなくなったのか。太陽のエネルギーだけで、自動車が走るようになるのはまだまだ遠い気がしま す。
 自家用ソーラーカーができるのはいつのことでしょうか。
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◎ オーディオアンプ  2005/1/28
  根っからの無線少年だった私は、ご多分に漏れずオーディオマニアでもありました。 先出の電子部品屋さん「MUK」のならびに、「AVオーディオセン ター」という中古オーディオショップがあって(ローカルな話ですみません)よくはしごしていました。
 お店には見たことも無いような大きさのウーハーや、奇抜な形のエンクロジャー、どこから出てくるのか超高級HiFiオーディオ機器が所狭しと並んでいま す。 ここにも、お年玉やバイト台をずいぶん投下した覚えがあります。MUSICBIRDアンテナ
 そのころから、お店で見かけたマニアックなオーディオ雑誌「MJ 無線と実験」を時々購読していて、つい先日紙上プレゼントの「MUSIC BIRD」チューナー&アンテナセットが当たりました。
 「MUSIC BIRD」は「CD以上の音質の音楽放送」との触れ込みの、CS衛星デジタル放送です。
一番の目的は高音質のJAZZが聞き放題!ライブも充実らしい。
 ではオーディオアンプを用立てないといけないということで、
以前からここ「今日の必ずトクする一言続々オーディオの ナゾ」で紹介され、気になっていた電流出力アンプを試してみることにし ました。
 回路図はこんな感じです。 
 動作は、入力のオーディオ電圧信号に比 例してスピーカーに電流を流すようになっています。
 スピーカーは磁石とコイルの電磁気力によって機械的にストロークする部品なの で、スピーカに電圧をかけてコントロールするより直接スピーカに流れる電流をコントロールする方がよりオーディオ信号に忠実な音の生成が可能と思います。
 組み合わせるスピーカーはフルレンジFE167を組み込んだオリジナルです。
 早速鳴らしてみた感想は・・・・ふわっと自然に出る低音、きれいに伸びる高音が印象的。 いままでフルレンジのスピーカは音像定位のはっきりしている性 格が好みで、f特には目をつぶって使用していました。
 電流出力のアンプに変えると、スピーカのインピーダンスが上がってくる帯域にもしっかりと電流を流すことができるのか、f特が上から下まで(限界はあり ますが)フラットに鳴る印象で、大満足です。
 しっかりスピーカをドライブできるアンプには電源も大事と思い、以前から電源には12V5Ahの鉛バッテリーを使用しています。
 バッテリにはリニア電源13.5V1Aでフローティ ング充電しています。 電源からのノイズを嫌うときにはリニア電源を切り離すことができます。 
 鉛バッテリーの使用で電源のインピーダンスが低く(電源供給能力が大きく)なり、ダイナミックレンジ、SNとも大きい音楽の再生に非常に好い印象です。

 2006/3/17追加
 電流出力アンプをググルと 「電流出力アンプはまともに動かない」「発振する」等等、スピーカはfo付近でインピーダンスが上がっておかしくなるとも言 われていますが・・・。
  まず、発生する磁界は電流に比例しますよね? foでインピーダンスがあがるのなら「foでは他の周波数に比べて同一磁界を発生させるためにより大き な電力を必要とする」(入力電力Pin=音圧ではない、周波数特性を持つ係数が掛かるPin×k(ω)=音圧)という解釈でかまわないと思います。
 電流駆動だと確かに周波数によってスピーカへの入力電力は変わりますが、だからといってfoで音圧があがるわけではないですよね? それにBOXでfo はズレる、Qも下がる。  で、こんどは音圧はコーン紙の加速度だという、それなら磁界強度時間変化の二階微分値なので結局元は、磁界(=電流)。
 あと電流出力アンプが理論的に、直流バイアス点が安定しないのはわかります(OPAMPなら直流利得は120dB=10^6ぐらいありますから)、別に 理論通りの回路を無理に使いなさいというわけでないので、直流の増幅率は1倍にするようにすれば上のような簡単な回路になります。
 まさかこの定数でも「可聴領域の位相回転が問題だ」なんて言いださないですよね。
 
 いろいろ書きましたが、うちの電流出力AMPは聴感いいですよ。  私の耳もそう悪くないと思ってますし、仕事のとき歪率の測定ではVP7722なんか と為張っていましたから。(今はバイクの爆音と、サンダーの金切り音でボロボロかも)
 
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◎ 昔のデバイス 2006/2/1
木下電機10数年来の不良在庫です。 いつか使おうとしまってありますが、有効に使っていただける方がおられましたらお譲りいたします。
 
最新デバイスや最近の設計方法からするとこんな部品たちにはノスタルジーしか残っていないんですね。

 
1N60 ゲルマニウムダイオード
M57796MA 三菱パワーモジュール
M57797MA 三菱パワーモジュール

昔持っていた YAESUのFT-728に載っていたパワーモジュール ハンディー機で5Wぐらい出力できた どっちが144MHz用だか430MHz用かは忘れてし まった。 型名末尾の「MA」の部分でバンド内の出力周波数範囲が規定されていた。
2SC2558
シリンダトリマコンデンサ
マイカコンデンサ

 タクシー無線機のキャビティから取り外したもののはず。 UHFあた りで経年変化を考慮して設計するならこれしかないです。安定度抜群!
 
 最近はもう使ってないだろーな、マイクロストリップラインとSAWフィルタが抜群に簡単高性能ですから。 いやフィルタ事自体が不要!?

2SC911
2SC1337
パワー用セラミックトリマコンデンサ
 裏側にセラミックのヒートスプレッダが装着されている。 この手のト ランジスタで使用されているセラミックは有毒物質ベリリウム! データシートには「粉末を吸い込まないように」との注意書きがある。
通称竹とんぼ TRからスタッドは生えているので、放熱が十分! した がって温度を原因とした故障が少ない。 けどこのパッケージは高価なんだろうねぇ。
 直径1cmぐらいあるセラミックトリマ。 容量は12pFとか8pF ぐらいの小さめだが、数Aの高周波電流が流れる用途では外形が大きくないと放熱できない。 

1SS97 ショットキーダイオード

uPD8255 パラレルインターフェースコントローラ
1SS16や1N60などのポピュラーな検波ダイオード亡き後の標準ダイ オード。 ショットキーダイオードの順方向電圧のバリエーションがいくつかあった。(1SS99等) けど日本の半導体業界が傾いてきたころにガラス管タ イプのダイオードはほとんど廃れた。 最近の高周波用ダイオードはプラスチックパッケージ化と小型化が進んでいる。
 最新ダイオードのシリコンダイの性能はよくなったのだろうが、パッケージの性能はガラスのころのほうが良かった気がする、インダクタンスの問題はあった がキャパシタンスが小さくてインピーダンスの低下が少なく使いやすかった。
 さらに現在はディスクリートデバイスはほとんど専用ICに集約されるし、あまりアナログで信号をいじらないですぐにA/D変換してしまうのでダイオード の性能をシビアに追いかけなくてもいいのだろう。

 昔からマイコンのパラレルインターフェースといえばこの8255。  結構コントロールが簡単でZ80のPIOは使ったことがありません。
 あのころのNECは元気だったし、ZILOGのZ80PIOは手に入らなかったので。 製作記事を見ててもこればっかりだった。
i8251A
uPD8259AC
uPD8253C-5
インテルの8bitマイコン


i8085A
LH0081(Z80PIO)
uPD8237AC
大流行した8086の8ビット盤CPU、Z80に対抗しようとしたらし い。 こ このお話が面白い シャープのパソコンにはシャープ製のマイコンと周辺ICが乗っていまし た。 セカンドソースだけど。
i8237のセカンドソース、DMAコントローラ


uPD765AC


すっごい有名なフロッピーディスクコントローラ(FDC)です。 ぐ ぐるとこんなに引っかかります。


HN462716
HN482764
TMS2708JL
日立製の2716 2k×8bit EPROM
 日立製の2764EPROM
テキサスの2708EPROM

uPD7261D
uPD769AD

セラミックパッケージのDIPです!高そうですねぇ。 ぐぐるとこ ちらのサイトでハードディスクコントローラってことになっています。 確かφ300mmぐらいのディスクが入っているハードディスクで、固定ヘッ ドが一杯並んでいた気がします。 ここに もあった
これもセラミックパッケージDIP。 ぐぐるとふたたびこ ちらのサイトで見つかり、NECのオリジナルシリアルインターフェースだそうです。

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◎ 電気自動車の問題点 2008/3/15
某所で電気自動車の関連技術について発表した時の抜粋です。
プレゼンを作成していた中で、気づいた点をまとめています。
考えていたら「電気自動車の実現性は非常に低い」ように思えてきまし た。
・ まずはうわさのあの電気自動車(EV)を取り上げてみました。
・ EVの運動性能についての可能性を提示した意義がありますね。
・ バッテリの容量は31kWh分搭載しているようです。
・ 31kWhの電力は一般家庭の消費電力で考えると3日分ぐらいの電力量です。
(一般家庭の一ヶ月の電力量を300kWhとして計算)
・ 1回満タン(満充電)にすると200km〜300km走行できるとのこと。
・ このコンセプトカーは車としては700馬力の高級車の部類で、一般家庭向けではないのは確かです。

・ でも、この車の電池は、どうやって充電するんだろう。 一般家庭3日分の電力を車を使っていない夜間8時間で充電しようとするとどうなる?
・ で、計算してみました。
 バッテリの充電器を家庭用のコンセントにつないだと考えます。
 
・ バッテリの容量31kWhを単純に8時間で充電しようとすると
 31÷8=3.4kWh
・ 実際には10%ぐらいの電力が充電器で消費されてしまうので4.3kWの 消費電力になります。 普通のエアコンの倍ぐらい電力を消費します。
・ これには電力会社との契約変更が必要でしょう。少なくとも50A契約が必要です。
 
・ 各家庭が50A以上の契約にするとなると、電力会社はそこら中の電線を張り替えないと電線の太さが足りなくなりそうです。
・ 電気自動車の研究が盛んになってきた要因のひとつに、バッテリーの 性能が一足飛びに改良された点があります。
・ 最新のリチウムイオン電池は良くある鉛バッテリーの3倍の電力を貯めることが出来ます。
・ でも、電気自動車では1充電あたりの走行距離が200km〜300kmとあまり伸びてきません。
・ ガソリン車だと満タンで500km以上走れる車はザラにあります。
・ これは燃料とバッテリーの間で、1kgあたりに蓄積できるエネルギーの違いに原因がありそうです。
 
・ 計算してみるとリチウムイオンバッテリーと燃料では70倍ぐらいの差があります。 
 もちろん燃料をエネルギーにするには酸素が必要ですが、これは空気中から取り込みます。 
・ では実際の自動車が、燃料という形でどれほどのエネルギーを貯蔵し ているか計算してみましょう。
・ タンク容量50Lのガソリン車では120kWh相当のエネルギーを貯蔵しているようです。(計算は右のプレゼンです)
・ 荷物を運ぶ長距離トラックでは3440kWh相当のエネルギーを貯蔵しています。
 
・ 同じだけの電力量をリチウムイオン電池で貯蔵するとどれほどの重さになるでしょうか? 
120kWh =>約700kg
3440kWh =>約28ton

・・・・荷物を運ぶ余裕がないですね。

訂正:大型トラックの軸出力エネルギー量は1855kWhでリチウムイ オン電池換算で約11tonになります。
 

・ でも電気自動車が重くてもブレーキ掛けたときや、下り坂でエネル ギーを回生できるから効率がいいじゃないか? という声もあります。 ではどれほど回生できるか?

・ 空気入りゴムタイヤを使っている限り、80%〜60%ぐらいしか回生できないようです。 これはエネルギーだけの話でここから電力に変換してバッテ リーに貯めなければいけないのでさらに効率は下がります。
 
・ ゴムタイヤの回生効率はスリップ率から算出しました。
 と、ここまで述べ たように電気自動車は現状「実現性が非常に低い」としか思えません。
 電気自動車の実用化を進めるためには幾つかのハードルがあると思います。

 まずはインフラ面。
 各家庭の電力消費が増えることになるので、大量の銅を使って電線を張りかえる必要が出てきます。
 電力会社が発電する電力も大幅に増やす必要があるでしょう。

 生産面
 これだけの電力量のバッテリを生産する体制を整えるには時間がかかるでしょう。
 日本国内には生産できるだけのスペースがあるとは思えません。 
 それにモータに使う銅は相場高騰中です。
 
 技術面
 もっと(今の10倍以上)エネルギーをたくさん貯めることが出来るバッテリーが必要でしょう。
 バッテリーの安全性にも考慮が必要です。
 
 道路のかたちもかわって行く必要があるでしょう。
 高速道路には全部レールを敷いて、自動車を連結して走るとか・・・
 何か荒唐無稽なことをやらないと、根本的な改善にはならない気がします。

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なかのひと