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100m延長できるリモコンがほしい 「スタートシグナル」の一号機を、あちこちで見せて歩いて色々コメントいただきました。 中でも多かったのは「リモコンがほしい!」という声でした。 スタートシグナルは「R&Jインポート」さんのオフロードバイクの走行会イベント「アサマファンライド」のタイムアタックに参加 したとき「こんなのがあれば盛り上がるよね」と、アイディアを頂き製作したものです。 使用状況を考えて設置、撤収、操作簡単で、「雰囲気いい」物を目指しました 。 (スタート時には1秒毎に「ポッ」「ポッ」「ポッ」「ポーン」と音が 出ます。これで雰囲気UP間違いなし) 実際に使用しているのを見ると「オー」歓声が上がっていますし「カッコいいなぁ」 と自画自賛してしまいました。 仲間内の模擬レースなんかにターゲットを絞っても、数台売れるんじゃないかと期待してしまいます。 なので、さらに欲を出して「スタートシグナルの売り上げでタイヤ代を捻出しよう、 もしかしたらバイクも買えるかも」と思い、イベントを主催する側の人たちのところにも出かけて感想をいただきました。 そこで冒頭の「リモコンがほしい!」との声、それも「200mぐらい飛ばせるといい」とのことでした。 スタート管理の用途だから、確実にスタート表示できる信頼性が必要だし、200mと距離も長いので電波でコントロールすることは多分無理。 (10m法で30μV/mだったっけなぁ。) となると必然的に有線式になるんだけど・・・・一体どんだけのコストアップなのかなぁ? どれどれ 線の数は「赤信号」「青信号」「電源」「スピーカー」と最低5本は必要だ、200mじゃケーブルの抵抗分も心配だなぁ。 コネクタは、232Cでおなじみ「D-subコネクタ」 1式 2000円 コネクタの加 工が面倒だなぁ! ケーブルは「ミスミ」のカタログで見ても300円/mはするから 100m→30000円!! もう材料費だけで、スタートシグナルの本体価格を超えてしまう・・・。 う〜ん、本体より高価なケーブルセット。 それに、荒い使われかたするだろうし、1年ぶりに持ち出しだして現地で「うまく動かない」のは非常に寂しい。 っつーか使えねぇー! ・・・・八方塞で現実逃避! 秋月電子通商さんのホームページでも 見よっと。 現実逃避のはずなのに、いつの間にかコネクタを探している。 今度の「新商品」は?、っ と「LANケーブル」なんか売り始めたんだなぁ、 100m長のまであるんだなぁ、へぇCAT6なんだー、CAT6って結局使わくなりそうな規格だしなぁ、 あまってんだなぁ「Made in China」かぁ6000円は安いなぁ。けどLANケーブル100mなんて使うことないし、いらないなあ。 |
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「softDSP」の
パソコンオシロに対抗して「PICOTechnology」も200Mspsオシロを出して来た!PICOTecは元祖だしな云々 その日はその
まま現実逃避のWebサーフィン。 或る日、まだあきらめれず200mリモコンの構成を考えていまし た。 マイコン搭載のリモコンを作ることになるんだろうけど、スタートシグナル専用品としてプリント基板を作るのは汎用性が無くてもったいない。 汎用性のあるリモコンを作るならインターフェースも汎用性のある232Cあたりがいいなぁ、そしたら送るデータ次第で色々コントロールできるぞ。 もしかしたらリモコンだけでも売れるかも! (誰に売るつもり?) ところでEIA232Cで200m伝送できるだっけ?調べてみると 15mまでとのこと、 「駄目じゃん」、専用ケーブルで 150mOKなの?、 でそのケーブル幾ら?150mで37000 円!・・・却下! 232Cは不平衡だからグランド電位も当てにならないしなぁ、そうだ「EIA422」 のICを使って平衡で伝送すればケーブルなんて適当でも200mぐらい伝送できるだろ、デバイスもそれなりに 販売されているし。 あとは平衡ケーブルだなぁ・・・・・平衡平 衡・・・ってこないだのLANケーブル、秋月の! CAT6の規格を調べてみると 「ANSI/TIA/EIA-568B.2-1(AddendumNo,1 to ANSI/TIA/EIA-568-B.2)」 「Transmission Performance Specifications for 4-Pair 100Ω Category 6Cabling (カテゴリー6 4対100Ω配線のための伝送性能仕様)」 に色々書いてあるけど、250MHzまで伝送可能なLANケーブルらしい。 これはEIA422を伝送するには十分すぎる性能です。 早速手配して、届いたケーブルの仕様書には抵抗分が2.2Ω/100mと書いてあります。 電源も乗せて送ることが できるくらいの低抵抗です。 コネクタも「RJ45」を使えば「安い」「壊れても入手性良」「誰 でも扱える」等々いいこと尽くめです。 すぐに「EIA422」インターフェースのIC「ナショナルセミコンダクター」の「DS8921A」 も「Digi-key」で購入、伝送実験を行いました。 |
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![]() EIA422伝送実験回路図 |
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3. 早速実験 まずは、実験回路を組んで、伝送波形を観測し てみました。 ・パルスジェネレーターは手近にあった「PIC16F84A」で約250kHzのパルスを発生@ ・図中左側IC1 DS8921A「TX」部でEIA422に変換しCAT6ケーブル100mで伝送 ・図中右側DS8921A「RX」部Aに伝送。 ・同じケーブルに受信側の図中右側DS8921A用の電源も伝送した。 ・受信したパルス信号を再び「TX」でEIA422に変換し再びCAT6ケーブルを通って左側DS8921ABに ・往復で200m通過後のパルスを「RX」で受けた後の波形C デジタルオシロはあるのですが、測定チャンネルが2chしかないのでアイパターンを見ることができませんでしたが、100m伝送の雰囲気は見えてきます。 結果: LANケーブルはスタートシグナル用のリモコンケーブルに最適! 次期モデルに採用します。 |
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4. いよいよ実機に搭載 LANケーブルによるデータ通信&電源伝送は、「WRAクイズラリー実行委員会」殿開催のQR14向けに開発の「QR14仕様スタートシグナ ル」搭載することになりました。 QR14向けのシステムは、「スタートシグナル」本体のカウントダウン表示を、文字高80mmのタイム表示器 「TimeDisplay」にて行うもの です。 表4.1 LANケーブルによる電源&シリアル通信伝送仕様
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実機での実験でアイパターンを測定 100m伝送でもほとんど劣化は見られない。(図4.1) 前回の測定データはグランド接続ミスの可能性大 恥ずかしいけどさらしておきま す。 EIA422はDS8921Aを用意すればすぐに実現、RS232C用ICのように外付けコンデンサ不要でかえって便利。 ・ パーツ販売 「DS8921」は在庫していますので、ご希望の方には1個200円でお分けします。 お支払方法は郵便振替70円(用紙同封)、郵送なら80円です。 ただし郵送は受け取り確認ができません、不安な場合はヤマト便、ゆうぱっく等でお送りします。 くわしくはこちら。 |
![]() 図4.1 100m伝送後の差動電圧波形
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